TOP > ウラリスさんの伝言板物語

ウラリスさんの伝言板物語

第2部 〜両回廊戦役〜


第8話開始時点での編成表です。
たまーに帝国軍に艦隊No.がついてでてくるときもありますが・・・(^^;;<戦史
(私の場合銀4対応なので<言い訳にもなってない)
なお,艦艇数は推定です(重要)。

帝国軍
第1ローエングラム  (25000)
第2キルヒアイス   (20000)
第3ミッターマイヤー (16000)
第4ロイエンタール  (16000)
第5ミュラー     (15000)
第6ビッテンフェルト (13000)
第7ワーレン     (11300)
第8ファーレンハイト (10650)
第9ルッツ      (12100)
第10レンネンカンプ  (10880)
第11ケンプ      (10820)
第12ミュッケンベルガー (9390)
第13アイゼナッハ   (12600)
第14シュタインメッツ (11900)
第15メックリンガー  (14400)
第16メルカッツ    (12380)
第17トゥルナイゼン  (11300)
第18アルトリンゲン  (10470)
第19カルナップ    (11200)
第20グリューネマン  (10750)


同盟軍
第1クブルスリー   (16000)
第2パエッタ     (15000)
第3ルフェーブル   (14000)
第4パストーレ    (12000)
第5[空席](後にチュン(16000))
第6ムーア      (13000)
第7ホーウッド    (12500)
第8アップルトン   (12500)
第9アル・サレム   (15000)
第10ウランフ     (13000)
第11ルグランジュ   (12000)
第12ボロディン    (13000)
第13ヤン       (23000)
第14モートン     (10500)
第15[空席](後にマリノ(15000))
第16リョクラン    (16000)

<第9話>

宇宙暦−804年12月19日,標準時01:00。
アムリッツァ近辺宙域に潜伏中の第13・ヤン艦隊に,1通のFTLが届く。
「−804年12月20日,00:00をもって,現在帝国領内に展開中の全戦力を集結させよ。 
  指定ポイントはアムリッツァ星系,A030-B045。
   イゼルローン宙域への敵艦隊の進入を阻止することが目的である」
これを受け取ったヤンは,紅茶を口にしながら,
「守るだけならイゼルローンまで下がってもいいだろうなあ・・・
 イゼルローンの方がよっぽど守りやすいのに・・・
 それに,補給だってままならないのに・・・どうしてくれるんだ,司令部の連中は?」
司令官私室で愚痴をこぼしていた。
フレデリカだけがこのつぶやきを耳にしている。彼女「だけ」が。

同時にリョクラン提督麾下の第16(直属),第10ウランフの
各艦隊にも同じFTLが届いている。
指揮を執るリョクラン提督がため息をもらす。
リョクラン「・・・まあ司令部の勝手は今に始まったことではないか・・・」
参謀長「時間的にはぎりぎりですが・・・」
リョクラン「まあ従わないわけにもいくまい。全艦隊反転,直ちにアムリッツァ方面へ向かう」

第8・アップルトン艦隊では・・・
アップルトン「20日00:00? ずいぶん急だな,我が艦隊は間にあわんぞ」
オペレーター「アムリッツァ宙域への到着は,最速で20日12:00頃かと思われます」
アップルトン「12:00か・・・そのぐらいならまあいいだろう。
       全艦隊反転,アムリッツァ星系へ向かう!」
オペレーター「! 未確認艦隊,発見! アムリッツァ方面へ向かっていきます!」
アップルトン「敵か,味方か?」
オペレーター「この位置からでは確認できません・・・・・・! その艦隊からの通信です!」
リョクラン「おお,アップルトン提督か」
アップルトン「リョクラン元帥,お久しぶりです」
リョクラン「いやいや,それはお互い様さ」
アップルトン「ところで,我々が敵艦隊を見たわけでもないのに,戦力の集結とはどういうことですかね」
リョクラン「・・・ヤン提督のほう,つまりアムリッツァ・ボーデン方面に何かがあったということだろう。
      まあ事情も説明せずにいきなり我々を動かす司令部の勝手も,今に始まったことではないが・・・」
アップルトン「戦況ぐらい説明してもらいたいもんですな」
リョクラン「まったくだ」

そのころ,帝国軍の「双璧」と呼ばれる両将,ウォルフガング・ミッターマイヤー元帥と
オスカー・フォン・ロイエンタール元帥に勅命が下っていた。
「アムリッツァ星系へ赴き,すみやかに同星系の敵艦隊を撃破せよ」
勅命の内容としてはこれだけである。 が,皇帝ラインハルトは彼らを皇帝私室に呼び,
オーディンにいるオーベルシュタイン元帥と併せて, ひとつの重要な作戦を構築していた。
それが後に,「ラグナロック・改」と呼ばれるコードネームで呼ばれる作戦であった・・・。
動員された帝国軍はミッターマイヤー,ロイエンタール,ファーレンハイト,ルッツ,
レンネンカンプの5個艦隊,艦艇合計約6万5000。

アムリッツァに集結予定の同盟軍は第8アップルトン,第10ウランフ,第13ヤン,第16リョクランの
4個艦隊,艦艇合計はこちらも約6万5000。
これだけでも史上空前の会戦である。
さらに「ラグナロック・改」。
この作戦の全貌が明らかになるのは,いつのことか・・・


<第10話>

「急げ! 奴らの集結する前に各個撃破する!」
疾風ウォルフの面目躍如。
勅命からまだ丸1日経っていないというのに,帝国軍5個艦隊は
すでにヴィレンシュタイン星系を通過し,ボーデン星系に達していた。
「ルッツ,レンネンカンプの両艦隊が多少遅れておりますが・・・」
「・・・・・・」
一瞬憮然としたミッターマイヤーだが,すぐに理性を回復した。
「まあいい。その方が敵に対して効果的でもあろう・・・。スピードは落とすな! 
 ルッツ,レンネンカンプの両艦隊は第2陣として援護にまわらせる!
 ロイエンタールに把握してもらってくれ!」
これにより,帝国軍は大きく二つに分かれる。
先陣:第3ミッターマイヤー,第8ファーレンハイトの両艦隊。
2陣:第4ロイエンタール,第9ルッツ,第10レンネンカンプの3個艦隊。
ところが,分割したことが,あとになって大きな変化をもたらすのである・・・


同盟軍にとって,変化は予期していたより早く訪れた。
ヤン艦隊がボーデン星系方面に設置しておいた偵察衛星が,帝国本土方面から迫ってくる
無数の光点を映し出したのである。
ヒューベリオンのブリッジが一気に緊迫に包まれる。
「あとどのくらいだ? 時間的距離でいいから」
オペレーターの回答は,ヤンをほっとさせはしなかった。
「3,4時間といったところです」
「第16艦隊へFTL。 
敵艦隊の侵攻を察知,アムリッツァには本日中に到着の模様。  
至急救援に来てくれ,ってね。とても1個艦隊では保たないからね」
「了解!」
「うーん・・・・・・グリーンヒル少佐,3時間以内に陣形再編,V字型陣形を取る。 
全艦に伝えてくれ」
「はい,閣下」


第16艦隊,旗艦ファイナリー・・・
「思ったより速いな・・・」
「提督,ちょっと」
バグダッシュが声をかけた。
統合作戦本部情報局にいた彼だが,第16艦隊の新設に伴って新艦隊の参謀チームに
配属されたのである。
「中佐,何だね」
「このまま正面からぶつかったら,大変なことになりますな」
「ああ・・・中佐には,何か思案でもあるのか?」
「そうです」
「何かね?」
「それは・・・」


先陣のミッターマイヤー艦隊・ファーレンハイト艦隊がまさにアムリッツァ星系に
侵入しようとした瞬間,「それ」は起こった。
「! 閣下,通信を傍受しました!」
「慌てるな! 落ち着いて報告せよ!」
「は・・・通信によりますと,ロイエンタール艦隊が後背から敵襲を受けた模様です!」
「何だと!? そんなバカなことが・・・」
「トリスタンも被害を受けた模様・・・ロイエンタール元帥が重傷との情報も入っております!」
「ロイエンタールが!?」
「敵艦隊はフェザーン方面へ移動している模様!」
「・・・そっちを先に叩かざるを得ないな・・・よし,全艦反転,フォルゲン星系から 
フェザーン方面へ向かう!」
「はっ!」
「陛下にその旨申し上げておいてくれ!」
「承知しました!」


そのころ,ロイエンタール艦隊・・・
「ファーレンハイト艦隊からの通信を傍受しました! ミッターマイヤー,ファーレンハイトの
両艦隊が敵襲を受けた模様!」
「なに! すでに迎撃体制を整えていたというのか!」
「ベイオウルフも被害を受けた模様!」
「ミッターマイヤー・・・」
「いかがなされますか,閣下?」
「ベルゲングリューン,全艦に伝えろ,最大戦速でミッターマイヤーを救出に向かう!」
「はっ」 「閣下! 敵艦隊がフェザーン方面に向かったとの通信を傍受しました!」
「ミッターマイヤーたちはどう動いた?」
「敵艦隊を追って,フェザーン方面に向かっているとのことです!」
「ならば我々もフェザーン方面に向かう! ミッターマイヤーたちと一刻も早く合流するのだ!
カイザーにもそのことを伝えてくれ!」
「はっ!」


味方と敵とを欺く情報戦はバグダッシュの十八番。
さて,バグダッシュが仕掛けた罠はいかなる効力を発揮するか・・・
そして皇帝ラインハルトはどう動く? ヤン・ウェンリーはどうする?


<第10話>

フレイヤ星系,ブリュンヒルト。
ラインハルト,キルヒアイス,ミュラー,ビッテンフェルトの4名に,
オーディンのオーベルシュタインをあわせた5名が作戦会議を行っていたが・・・
席副官のシュトライト中将が焦りの色をたたえて入ってくる。

「陛下,ミッターマイヤー元帥から通信が入っております」
「何だ?」
「ロイエンタール元帥の指揮する3個艦隊が敵の攻撃を受けた模様。  
敵はフェザーン方面へ逃走,敵軍挟撃のためフェザーン方面に向かうとのことです」
「なんだと?」

ラインハルトのアイスブルーの瞳に炎が入った。
さらに追い打ちをかけるように,次席副官・リュッケ少佐からの報告・・・

「陛下,ロイエンタール艦隊から通信が入っております!  
先陣のミッターマイヤー艦隊が敵襲を受けたとのこと,敵がフェザーン方面に逃走したためそれを追うとのことです!」
「どういうことだ!」
激情を吐き出そうとするラインハルト。だが・・・
「お待ち下さい」
「・・・何だ,オーベルシュタイン?」
「これは敵軍の罠です。ミッターマイヤー・ロイエンタール両艦隊を分断するための。
おそらく両艦隊とも無傷かと思われます」
「・・・そうか,それなら報告の食い違いも説明が付くな・・・しかしあのペテン師め・・・」

やや怒りは収まったようであるが・・・
アイスブルーの瞳には内面の嵐が映っていた。
ラインハルトが誤解したのも無理はない。
相手はイゼルローンを無血開城したこともあるほどの策謀を有する男だ。
これぐらいの策は簡単に弄して来るであろう。
しかし,フェザーン方面に双璧を向かわせて,あの男に何の得があるというのか?
ひょっとして双璧が気づく前に後背につけるのか? 
双璧の前方に別働隊がいるのか?
ラインハルトは思考の海に沈んでいた・・・

「ラインハルトさま」
「キルヒアイス・・・何か考えついたか?」
「はい,おそらくミッターマイヤー・ロイエンタールの両提督ですから,途中で罠に気づき, 
勢力を合流させて前方もしくは後背の敵に対するものと思われます。  
敵がアムリッツァから出て両提督の後方にいれば我々との包囲網ができあがり, 
両提督の前方に敵がいるのであれば我々が横撃を加えることもできます。  
すなわち,両提督との暗黙の連携ができることになります。  
それに,「ラグナロック・改」の方向性とも合致するのですから,ここは動くべきです」
「動きましょう,陛下。陛下が戦場にいてこそ兵士たちの士気は高揚します。 
後方でじっと戦況を見守るなど,陛下にふさわしくはありますまい」 ビッテンフェルトである。
「そうか・・・よし! 我々はミッターマイヤー,ロイエンタールとの連絡を取りつつ,一刻も早く合流に努めるものとする。 
同時に「ラグナロック・改」は第2段階に入る! ワーレン,ケンプ,ミュッケンベルガーの3提督は 
ガイエスブルグ要塞を率いてイゼルローンに侵攻させる。オーベルシュタイン,早急に取りかからせろ」

そのころ,同盟軍でもささやかな動きがあった。
イゼルローンの食料プラントの生産能力を超えた作戦行動のため,食糧が不足をきたしかけていたのだ。
そこで,首都残留組のうち,第12ボロディン艦隊が補給艦隊2000隻を引き連れてイゼルローンに向かうことになったのである。
また,第13ヤン艦隊は依然アムリッツァから動いていない。というより,補給艦隊が来るまで動けない。
そして問題の第16,8,10の3個艦隊は・・・
「どうやらひっかかってくれましたな」
「ふむ・・・やはり後を追うか?」
「そりゃそうでしょう,そのためにやったんですから。それに敵艦隊は2つに分かれている。各個撃破のチャンスです」
「よし,全艦最大戦速,ミッターマイヤー艦隊の後を追う! 追いつき次第戦闘隊形に入る!」


(続く....)